2012年12月13日

『白ブリーフ通信』

僕の真っ白いブリーフを買ってくれたのは
16歳の女子高生だった
喫茶店で僕は紙袋に包んだ、
白ブリーフを渡した
彼女は袋の中を覗き込み、
僕の方を見て頷く
そして一万円5枚の入った封筒を僕に手渡した
世の中にはいろんな人がいることぐらい
28年間生きていれば大体分かったつもりでいた
しかし、 こんな物好きがいたなんて・・・
僕の白ブリーフを買ってくれる人はいませんか
とネットの呟きサービスに書き込んでみたところ
すぐに興味ありますと返信があった
それからしばらく
やり取りをしたのちこうして
直接合うことになり
売買が成立したのだ
僕のどうみても冗談でしかない
書き込みに本気で反応
してくる人物がいるなんてまさに
ネットは広大だ

僕はそんな彼女に興味を持ち、
売買成立後も
喫茶店でそのまま話こんだ
まず、彼女は、大きなつけまつげに、
濃いメーク茶髪に緩いパーマと
いわゆるギャルのような見た目であった
一言でいうと僕のタイプではないが、
世間から見れば十分可愛い
そしてそんな見た目から想像できないくらい
彼女は頭が良かった
都内の進学校に通い成績も優秀だと語る
小説はもちろん、医学、心理学、物理学など
の専門的な洋書を原文の
まま読むことが好きらしい。
そして彼女の親は経営者で、
とても過保護に育てられたことを話してくれた。
お金には全く困っていないし、
夜遊びをしてもまったく親にしかられない
学校も退屈らしい
一時期はネットの生放送に
顔を出して出演したりして
それなりの人気を得たよう
だが、男達のイヤラシい発言にウンザリして、
そういった活動はやめたらしい

彼女は大学を出た後には親の会社を継ぐことが
決まっているらしく
圧倒的な安定を手にした
彼女はどこか冷めていた
定まらない未来に対する不安は、
同時に可能性という希望も提示する。
そのことを奪われたことにたいする歪みは、
確かに生じているのだ
そして経営者の娘らしく、
圧倒的な自尊心とプライドの高さが目についた
僕はこのタイプのこの年頃の少女に対する免疫がないので、
ここまで聞いてもなぜ彼女が、
僕の白ブリーフをほしがったのか理解できなかった。
ぼくはとうとう直接的な質問をした 即ち
なぜ僕の白ブリーフが欲しかったのかを
彼女は口を開く
女子高生
「その前に、なんであなたは白ブリーフを売ろうと思ったの」

「いや、ほんの冗談のつもりで書き込んだんだよ、
面白いかなと思って」
女子高生
「それなら、わたしの理由も同じかな 
白ブリーフ買ったら面白いかなと思って」
見知らぬ男の白ブリーフを5万円で
買うということを面白いと思う心理は
アートに片足を突っ込んだことのある
僕は少しだけ理解は出来たが、
彼女のそれは、
もっとどす黒い闇が渦巻いているように思えた。

もう一歩、もう一歩踏み出す必要がある、
彼女の核心にふれるには
僕「その、君は 今彼氏とかいるのかい?」
女子高生「いるけど、4人」
そうだ、彼女には当然彼氏もそれくらいいるだろう
彼女はすべてを手に入れてる
そしてこれからも自らが、
望んだものを手にいれられる頭のよさも持っている
僕「その白ブリーフ、彼氏に見つかったら怒られないの?」
女子高生「怒る人もいるかもね 
でもその人とは、それまでかな」
 
 僕は負けた 結局彼女の本質を何も分からず
そのまま分かれた
 もう二度と彼女に会うこともないだろう
 道玄坂 小走り下る僕は 全裸


posted by bool at 09:19| Comment(0) | 現代詩朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月03日

LP 『天動ポエムコア中空説』 リリース

Moving heaven-poem core-Hollow Theory .jpg

Nostress Netlabelという南イタリアのネットレーベルから
10曲入りのLP "Moving heaven-poem core-Hollow Theory"
邦題 『天動ポエムコア中空説』 をリリースしました。
フリーでダウンロード出来ます!!

ダウンロードページ




posted by bool at 00:47| Comment(0) | 現代詩朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月25日

『狐大学生』

俺はかっこいい大学生
人一倍意識は高い
全裸で街を闊歩する
今年で28歳 
就活はしない
俺にはコネクションがある
アートディレクターの高本念太郎さん
WEBのプロデューサーの指にぃ
DJでアパレル会社やってる
Mr.トムゴディー
俺が大学を卒業した暁には、
俺に仕事をまわしてくれるはずだ
彼らとはクラブで知り合った
俺の周りには面白れー
大人が大勢集まってくる
俺の才能を見過ごせないのだろう
俺は本物だ オンリーワンだ 

この大学生、
一見勘違いをしているように見えて
彼は間違いなく本物だった
彼はどんなときも全裸で街に現れた
ブティック、クラブ、カフェ、居酒屋 
彼は時と場所を選ばず全裸
それが彼のスタイル
彼の魅力には国家権力も手を出せなかった
彼は間違いなくカリスマだった
だが彼には大きな悩みがあった
女性に全く相手にされないのである
彼に声をかけるのは男性ばかり、
女性からの視線は常に冷たいものだった

俺は女性にもてない
俺の心の闇をだれは聞いておくれ
大学生は路地裏で膝を抱える
「はい、私が聞きましょう」
一匹の狐が大学生の前に現れた

大学生 
「狐さん俺はどうしたらいいんだい」
狐「コンコンコン 女性はね
可愛いもの 甘いもの 
太いもの 固いものが
好きなの あなたも狐になりなさい」
狐はピンクのキャミソールを足に引っ掻けって
大学生ににじり寄る
大学生「はひぃぃー」
大学生は絶頂を向かえたような表情を浮かべ
狐になることを決意した
その日から彼は街から姿を消し 
山へと消えた

それから2年後 
彼はまた再び街に帰ってきた
かろうじてまだ大学生だった

女性にもてないという彼の心の闇
狐になるという目標
それらに対しての ひとつの答えを彼は
今、此処に示した
 
大学生は黄金の全裸になっていた

そう、汗ばんだ彼の全身には
金箔がまんべんなく塗られ
金色の光を放ってる
そんな彼をみようと街の広場に
続々と人が集まってきた
物珍しげに指をさす若い男女
ありがたいものをみるように 
拝み続ける老婆
人だかりに便乗し、
利権を主張するデモを行う団体が複数
モニャモンという漫画の着ぐるみを来た、
黄色い集団
とうとう機動隊も出動した
彼を中心に、街は騒乱に包まれた

おや、彼の前に一人の少女が現れた
彼女の髪はピンク
服装はパジャマ
彼女は大学生に語りかける
「私はあなたが憧れるような会社の代表よ
  特別にたった今から面接試験を始めるは」
大学生
 「光栄です 始めちゃってください」
女社長
 「弊社への志望動機をおねがいします」
大学生
 「御社の女子社員がみな美しいからです」
女社長
 「それには私もはいるのかしら?」
大学生
 「はい、もちろん」
女社長
 「うれしい
 でもあなたを弊社に採用出来できません」
大学生
 「わかっています 
 社会はそんなに甘くことくらい」
女社長
 「そのかわり
 私があなたの彼女になってあげるんだから」
大学生は柔らかな微笑みを浮かべたと同時に
その場に崩れ落ちた
全身に塗られた金箔は彼の
皮膚呼吸を完全に奪ったのだ
 
山の上で煙があがってる
きっと狸かなんかが、芋をふかしているのかな


posted by bool at 22:44| Comment(0) | 現代詩朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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