2011年09月22日

『鈍祭り』

いつだって蚊帳の外
誰にも勝てる気がしないのです
此処にいていいのですか私は?
木月友厚はスピーカーに尋ねる
少しよじれたスプーンで
カボチャプリンを食らいながら

なるほどおめえさんは
学校が面白く無いんだな
のんきな学生さんだ
そんなんじゃ社会に出てから
潰れるぞ

いえ、私は学生ではありません
まだ2歳ですから
木月友厚はすぐ分かる嘘をついた
彼は学生ではないが、2歳でもない
よく喋るキリンに囲まれ
紙工場で労働を行う社会人だ

スピーカーくん
あんたは音を出すことで
社会に貢献をしているそうだな

いや、裏切り者だ
チャカポコ チャカポコ
と変態リズムをかなでるだけだ
リス二匹しか喜ばんよ

スピカーくん
君は何の変哲もない既製品
にしか過ぎない
変態リズムなど奏でてはいない
愛されたいと願うなら
まずは人を愛しなさい

俺の
兄貴は鋼鉄で出来た巨人だった
それでタワーの中央部
丁度、ホールに当たる部分に
ぶら下がっていたんだ
それでいつもずんずん低音で
鼻息は響かせていた
真っ青なボディーはメタリック
甲高い声の美少女の肌をいつも反射させていたよ
そんな兄貴が貴様は羨ましいか!!

別に羨ましく無いけど・・・

そりゃそうだろうな
お前にとっては只の他人だ
そして俺にとってもその兄貴は他人だ
夜、奇妙なことを語りたがりる
四本足の俺を縛ってくれ 

いいわけで何かが変わった試しは無い
ただ静かに飯を食う
生きていて何が楽しいのかと問われれば
むちゃくちゃしてる時だ
流れてしまえば 薄まる
嘘も本当になる
残酷だなんて思っちゃいない
よろけやすい俺に杖を
胴の長い亀には薔薇を

だれも電話に出ない
当たり前か
誰もいないのだから

絵筆をとり
桃色と黄色を丹念に
混ぜている
薄い唇で唄を歌う
横顔がじょうろのような女が
制服で寝ている
これは夕日が沈む前の話



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2011年09月15日

『モニタリング ゾンビ』

男は首元を勢い良くやられた
あぶく銭で七番街に向かう途中だった
ただこのケースが特殊なのは
男がヴァンパイヤであるという点だ
僕はどうなるのだろう
男は田舎の父親に相談することにした
父さん久しぶりですね
ああ久しぶりだな息子よ
酪農をやめて正解だったよ
閑散たる雪原で母さんは寝息
を立てているよ
お前は親切心を横に流すところがある
無感動を装うのもいい加減やめたらどうだ
そろそろ孫の顔も見たい 
運河よりゴーレムが現れる夢を見たいんだ

父さんその話はあとにしてくれ
今の今ゾンビに首をやられたんだ
僕いったいどうなるだろう?

それはあれだ、例外無くゾンビ化だ

どうにか止められないかい

踊り 歌い 描き 演じ
論じる ことをしなさい

黒い華が咲くでしょう 



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2011年09月07日

『猿夢城』

岸壁に鉄と石の要塞がそびえ立つ
それは螺旋状に雲まで伸びていた
私はフミオおじさんに
千の夜を超えて会いに行く途中
群像劇の小説を読みながら
この要塞に突入するつもり
そのためには丸腰では駄目だ
そこで思い立ったのが竹馬での突入
竹馬といってもサーカスのピエロが
ズボンの下に隠して乗っているあれだ
それをフロリダのサーカスでくすねてきた
それが3日前の話

風は心地よかった
竹馬のバランスを崩せばそのまま
お陀仏になるのは確実
世紀の曲芸師だってビックリの
竹馬は20メートル
下の方では解き放たれた馬や牛が暴れている
のが分かる
集中しなくては!
上にだってコンドルが私の目玉を狙っている
呪文を唱え我が輩は
空中に浮かび上がり
サラマンダーを召還する
そうだ始めから私は空中を自由に
飛び回ることができたのだ

気づくと西の空を漂っていた
巨大な手が20体ばかり
これを一人で相手にするのか!?
仲間はいない
夜が友達
蜃気楼を信じている
感覚のままに指を鳴らし
拳で肖像画を描き上げる
夜空のキャンバスに

真っ白い部屋で
真っ白い巨大ロボット
組み上げられている
パーツはざっと5000
ガキは指を加えて見ている
俺は関係者だから額に汗

彼女はフミオおじさんには
会えなかった
フミオおじさんは現実に存在しない
彼女は心の牢獄でペンギンと共に
暮らしている

今でも星は遠い




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posted by bool at 02:58| Comment(0) | 現代詩朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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